当時小学生だった息子が「リトルナイトメアやりたい」とか言い出した。
……ホラー。
絶対に私を巻き込まないことを条件に購入。
しかし、覗いているうちに私がハマってしまった。
ただ、怖いものは怖い。
だれかが横にいないとできない……。
なのに、一度起動したらクリアするまで止まらない。
ティム・バートン作品のような、ダークでファンタジーな世界観や考察が好きであれば、ぜひ遊んでほしい。
※重大なネタバレなし。
不気味ながらも絵本のようなジオラマのような、独特な世界観に惹き込まれる作品。
それが、【リトルナイトメア(LITTLE NIGHTMARES)】。
戦うことはほぼできず、基本的には音を立てずに隠れながら進行するステルスゲー。
セリフや字幕がなく、環境や演出でストーリーを感じ取るスタイルが採用されている。
考察要素が深く、プレイした人数の分だけ解釈が生まれるアドベンチャーゲームである。
【発売】
リトルナイトメア/2017年4月28日
■DLC:Secrets of The Maw
※本編+DLCのセット『デラックスエディション』も発売されている。
リトルナイトメア2/2021年2月10日
開発/Tarsier Studios(スウェーデンのゲーム会社)
【プラットフォーム】
PlayStation 4/PlayStation 5/Nintendo Switch/Xbox One/Xbox Series X/S/Microsoft Windows
時系列としては【2】→【1】だが、発売順【1】→【2】で遊ぶのがおすすめ。
- 発売日順に遊んだ方がエンディングの衝撃を最大限味わえる
- 考察の楽しさがシリーズを通して繋がっている
我が家は【リトルナイトメア2】→【リトルナイトメア】→【DLC】の順番で遊んだが、確かにこれは発売日順に遊んだ方が衝撃が大きい。
両方とも、独立した物語として成立はしている。
先に【2】を遊んだ我が家もそれなりの衝撃は受けた。
しかし、遡って見た方が「そういうこと!?」っていう驚きがある。
そのため、これから遊ぶ人はぜひ発売日順に遊んでほしい。
作り込まれた悪夢の魅力
映像と音で魅せる、不気味で美しい悪夢の世界。
可愛いのに緊張感と怖さがしっかりあるのだ。
日常で使う道具や家具。
そしてデフォルメされている可愛いようで怖い、絶妙なデザインを施された”大人”たちが異様に大きく、圧迫感がある。
さらにはBGMがほぼなく、足音、床が軋む音、息遣いなどの音のみ。
これらが、恐怖と緊張感を生み出す。
テーブルの下に隠れたり棚をよじ登ったり、扉を力いっぱい押し開けるなど、小さいからこその行動がゲームプレイに独特のリアリティを感じさせる。
音や影も全てが怖い悪夢の空間だが、光と影のコントラストが素晴らしく、不気味に綺麗。
ホラーが苦手でも楽しめる
真夜中にホラー漫画を読んだりした後にトイレに行くのが怖い、くらいのレベル。
ビクッてなることもあるし追いかけられる演出などもあるが、基本的には静寂と間で恐怖を与えてくるタイプの恐怖である。
物音がする方向にはなにかがいることが多く、時にその対象を倒したり他の攻略法があったり…。
基本的には足音や物音をたてずに、物陰に隠れてやり過ごさなければならないため、緊張感はかなりあった。
私がプレイできるレベルである。
……ただ、隣にだれかがいないとできない。
そう、病院ステージが存在する。
息子が病院だけは怖がり、私にコントローラーを渡してきた。
だが、私が投げ出すことなく病院をクリアできたのだ。
だから、どんなに怖がりでもリトルナイトメアはだれもが楽しめると思っている。
嫌悪感を抱くような直接的な描写も少なく、ジャンプスケアなどの急に驚かせる演出も【バイオハザード】や【エイリアンアイソレーション】よりは控えめだと感じた。
失敗しても、少し前から再開できるのもうれしいポイント。
オートセーブ仕様だが、割とこまめにセーブされる。
セリフなしで語られる深いストーリー
セリフがないのに心に残る。
これはリトルナイトメアならではの凄さ。
セリフがない代わりに、部屋ごとの描写になにかしらの意味があることが多い。
伏線や、なにかを示唆するようなオブジェクトや小物。
そういったアイテムや、雰囲気やキャラクターの動きなどからストーリーを解釈していくスタイルは想像力が働く。
きめ細かく作り込まれており、部屋ごとに隅々まで観察すると色んな発見がある。
「あれはどういうことだった?」
「これはなにを意味している?」
答えのない問いがプレイ後もずっと頭に残るのだ。
支配と絶望のサイクル
リトルナイトメアに登場する大人は、支配や欲望にまみれている。
だが、主人公たちはみんな“子ども”。
絶望とは、子どもたちが“いつか自分が恐れている大人”になること。
逃げ出した先に待つものが、実は『絶望への入り口』なのだ。
恐怖や裏切りを経験することで子どもの無垢さが消え、冷酷な存在にアップデートされていく。
『子どもから見た大人社会の恐怖』に自身も足を踏み入れるときがいずれやってくるという暗喩。
…などの考え方もできる?
七つの大罪
リトルナイトメアには明確な説明がない。
ファンの間では“ダンテ『神曲』煉獄篇に基づく『七つの大罪』”を由来に考察されていることが多い。
※開発元など、公式が認めたものではなく、あくまで“考察”。
名前に隠された数字や、敵キャラクターの行動などに『七つの大罪』を当てはめて考えるケースがよく見られる。
しかし、見解が定まらないキャラクターも存在する。
こうしてたくさんの解釈が生まれるのも、リトルナイトメアの大きな魅力である。
ざっとプレイしただけではその真意をすべて汲み取るのは難しく、私はよく考察サイトや動画を観る。
そのどれもが納得できるし、いろいろな考え方があっておもしろい。
様々なギミックと固定カメラ
パズル的なもの、タイミングをはかるもの、アイテムを使用するなど、さまざまなギミックが用意されている。
初見だとわかりにくいギミックもあるが、直感的になにをすればいいのかわかりやすいデザインではある。
しかし、そのギミックに使うものをどこからどう持ってくるのかなど、悩む場面はあった。
しっかり観察しないと見逃してしまうこともあるかもしれない。
さらに、判定やタイミングがとんでもなくシビアである。
「今ので!?」と思うような判定をくらい、やり直しになることはザラだった。
そして、カメラが固定で、視点を上下左右に少し振れるくらい。
奥行はあるのだが、遠近感が微妙につかみにくい。
すごく遠くからの視点になるともう厄介でしかない。
ギミックでもなんでもないところから落下することが多々あった。
慣れなのか…空間把握が苦手なのか…。
独特な世界にハマれる?合う人・合わない人
★こんな人に合うかも!
- ステルスゲーが好き
- 考察が好き
- 短時間でクリアできるゲームが好き
★こんな人には合わないかも…
- 長時間楽しめるゲームが好き
- アクションが苦手
- ホラーが本気で無理
『リトルナイトメア1・2』まとめ
無事両タイトルクリアした。
結果、軽く喪失感が芽生えちゃうくらいに楽しめた。
絵本の世界みたいな可愛さがありながら、ちょっと怖い演出が秀逸。
シビア判定にたまにイラッとさせられるが、謎解きも含めて簡単すぎず難しすぎず絶妙なバランスでとても良い。
私くらいの超絶怖がりでもできるホラーだった。
……ただ、それでも怖いので、できればだれかにやってほしい。
セリフがないため、ゲームを終えたあとに自身の解釈を踏まえ、考察サイトや動画を観てもおもしろいと思う。
たくさんの考察が溢れていて、全部納得できて深い。時間が溶ける。
2025年には【リトルナイトメア3】が発売された。
開発が“Tarsier Studios”から“Supermassive Games”へ移った3作目。
果たして、これまでのリトルナイトメアと変わってしまうのか…?
どれも単独でプレイしても楽しめる内容となっているが、リトルナイトメアシリーズが好きな貴方や興味がある貴方には、ぜひ全作遊ぶ or 配信視聴をしてほしい。



