カオスでリアル【小坂理絵】90年代“るんるん・なかよし”を彩る異色7作品『ネタバレなし・感想』

小坂理絵の世界!7選(レビュー)|アイキャッチ画像 漫画・アニメ

“りぼん”の異色作家が小花美穂先生であるとしたら、“なかよし”の異色作家は小坂理絵先生だと思っている。

小坂先生は、新聞部、バレーボールから、ロボットやヴァンパイアまで、カオスな設定で楽しませてくれる方だ。

それでいながら、キャラクターは妙にリアル。

そんな小坂ワールドを全力で推したい。

 

※重大なネタバレなし。

小坂先生の作品には強烈な女子キャラが必ずいるためストレスなく読める。
さらに、ギャグとシリアスのバランスも秀逸である。

笑わせながらも急に心臓を鷲掴みにされるような展開に目が離せない。

90年代の『るんるん』『なかよし』で連載された7作品を紹介したい。
すべて1冊~4冊で完結するため、サクッと読める作品ばかり。

作品名掲載誌連載時期単行本
わたしがやらねばるんるん1992年5月号〜1993年9月号全1巻
セキホクジャーナルるんるん1993年11月号~1998年1月号全4巻
レッツ バリボー!なかよし1995年2・3・4月号全1巻
とんでもナイトなかよし1996年6月号~1997年8月号全3巻
ヒロインをめざせ!なかよし1998年1月~1999年1月全2巻
トップ オブ ザ ワールドな人たちなかよし1999年7月号~2000年2月号全2巻
VAMP!?なかよし2000年8月号 ~ 2001年1月号全1巻

小坂先生の魅力溢れる7作品のあらすじを一気に紹介。

わたしがやらねば

デザイナーを夢見て家を飛び出した母の代わりに、家事全般を担う長女あずさ。

弟、兄、父と織りなす笑えるホームコメディ。

セキホクジャーナル

関北高校新聞部に所属している霊感少女の宮野柚枝(ミヤノ ユエ)。
毎回記事の提出が遅い彼女は、スキンヘッドの部長に喝を入れられる日々を送る…。

個性豊かな部員たちによって、ギャグ・ラブコメ・ロマンスなどさまざまな要素がみっちり詰め込まれた日常が繰り広げられる。

レッツ バリボー!

バレーボール部に所属している桜井なみほ(サクライ ナミホ)は加賀谷(カガヤ)に一目惚れ。

意を決して告白すると、「バレーボールを辞めたら付き合ってもいい」と言われてしまう。
なみほは迷うことなく退部を決意。

しかしその矢先、レギュラーに抜擢される。

とんでもナイト

溺愛しすぎている娘カンナに悪い虫(男)が寄り付けたくない。
そんな思いから天才ロボット工学者である父は、ボディガードアンドロイド『パパ守って♡7号』を作り上げる。

“小次郎”と名付けられたアンドロイドは、カンナと関わるうちに感情を持つようになってしまった。
危険だと判断した父は小次郎の解体を目論むが、小次郎に対するカンナの恋心が芽生えてしまうのだった…。

ヒロインをめざせ!

20××年、宇宙からの未知なる物体が地球に漂着しようとしている。
政府はこの脅威に備え、『ヒーロー養成学校』を設立した。

アイドル養成学校と勘違いして入学したみさおは戸惑うが、強烈な同期たちと地球を守るヒーローになるべく訓練に励む。

トップ オブ ザ ワールドな人たち

入学式、新しい期待を胸にした新入生へ「世界一になれ」と言い放つチャレンジ部所属の生徒会長。

内気な主人公、礼弥(アヤミ)は人との関わりを避けるべく、華道部への入部を希望。

しかし、飛行チャレンジ中のチャレンジ部員と衝突してしまった礼弥は、「責任をとれ!」と言われチャレンジ部に強制入部させられることとなる。

VAMP!?

戒律の厳しい修道院で、退屈な毎日を送る森川りお(モリカワ リオ)。

コンビニに行くために無断で寮を抜け出したりおは、道端に倒れている美少年を発見。
放っておくこともできずに寮に連れ帰るが、なんと少年はヴァンパイアだった。

ただ単に学園が舞台の恋愛もので終わらないのが小坂理絵先生の世界の魅力。
純粋にキラキラドキドキするような王道とは違い、基本的にギャグ要素多めでぶっ飛び放題。

どの作品にも笑えるコマが盛り込まれていながら急にシリアスな展開になったりと、飽きずに読むことができる。

どれも1~4冊で完結するのでサラッと読めると同時に、「もう終わっちゃうの!?」と寂しくもなる。

必ずいる強烈な女の子がストレスフリー

各作品に必ず1人は強烈な女の子が登場。
言いたいことをなんでも言わせられるので、描きやすいそうだ。

気が強いキャラクターが苦手な方もいるかもしれない。
しかし、“思いやり”も持ち合わせている子ばかりだから「クソムカつくな」とはならないはず。

明後日の方向に暴走しない安心感

少女漫画特有(?)の自己解決を目指し、相談もなく「なんで?」「どうして?」と1人で考えに考え抜いて明後日の方向に暴走するパターン。

これがない。

ときにもどかしい考え方をするキャラクターがいるのも事実だが、そのほとんどは作品にいる強烈なキャラが読者の気持ちをズバッと明確に代弁してくれる。

なので、かなりストレスフリーで読破可能。

現実味のある男子たちが魅力的

基本的に恋愛はするから相手がいるわけだが…甘~いセリフを放つような男たちではない。

これがかなり良いと思っている。

ぶっきらぼうでありながらも優しい男子キャラクターが描かれ、さらにミステリアスだったりとどこか現実味がある男子たち揃い。

絵柄のバリエーションも素晴らしい

とても可愛いタッチの絵柄だが、おじさんはバッチリおじさんで、イケオジや丸っこくかわいいおばあちゃんまで、バリエーションが素晴らしいあたりも魅力ポイント。

全作品好きだが、個人的に特に好きなのが【セキホクジャーナル】と【とんでもナイト】。

当時は小学生だったが、大人になってからもこの2作は読み返した。
ほかももう一度、全作品読みたいと思っている。

主人公にまつわる裏話【セキホクジャーナル】

セキホクジャーナルのキャラクターはみんな個性的だが、主人公である柚枝の想い人が毅太郎(キタロー)先輩ではなく、藤吾(トーゴ)なのがとてもよかった。

実はこれには裏話的なものが存在する。
当初は主人公が柚枝ではなく、浅葱(アサギ)が主人公予定だったのだ。

それだとつまらないと判断した先生が、主人公を柚枝に変更。
そうして出来上がったのが現在の【セキホクジャーナル】である。

キタロー先輩は『イケメン枠』だが、トーゴはさほど目立つタイプではない。
さらに性格は結構ドライでサッパリしている。

甘いセリフだけ放たない。
この感じがたまらなく良い。

…キタロー先輩も甘いセリフは放たないが…。

ロボットとの恋愛が斬新【とんでもナイト】

人間とロボットの恋愛という、この異色な設定が新しい世界を開拓してくれた。
だから私は、コナー(※デトロイト ビカム ヒューマン)も好きなんだ。

小次郎、ステキすぎる。

…いま思うと、セキホクジャーナルのトーゴは小次郎の元になったデザインかもしれない。

セキホクジャーナル4巻あたりのトーゴは、かなり小次郎とキャラクターデザインが近い。
感情を持った小次郎の性格も、トーゴに似て結構ドライでサッパリしている。

共通点しかないが、これは私個人の推論である。

 

そして、カンナのパパもとても可愛らしい。
思春期の娘からしたらウザいのかもしれないが、憎みきれないキャラだ。

カンナもパパを毛嫌いしている様子はなく、父娘の絡みがとても微笑ましく描かれている。

ちなみに小次郎は、パパの若かりし頃の容姿そのまんまである。
現パパもなかなかのイケオジであると思うが、どのように成長を遂げられたのか…面影はまったくない。

自分をモデルにするくらいだからナルs…自分にかなりの自信があるのでしょう。
…改造しようとするけど。

単行本(紙)が絶版

紙単行本の入手が困難を極めている。

【セキホクジャーナル】【とんでもナイト】【ヒロインをめざせ!】は電子書籍化されているため、電子媒体で読むことができる。

が、ほかは2026年5月現在では電子書籍化されていないため、紙の単行本が欲しい場合は中古で探すしかない。

★こんな人に合うかも!

  • 強烈キャラが好き
  • 勢いのある漫画が好き
  • 独特な世界観が好き

★こんな人には合わないかも…

  • 異色設定が好きじゃない
  • 強烈なキャラは苦手
  • ギャグが苦手
  • 一貫した強烈女子
  • 部活などの現実的設定でもキラキラしているだけではない
  • 現実味のあるキャラクターとストーリーが魅力

全作品、大人であっても楽しめる。

どれも設定がカオスなのに、現実味のあるキャラクターやストーリー。

どれも多くても4冊でサクッと読めるため、ぜひカオスへ身を投じてほしい。

この記事を書いた人
マツリカ

ゲーム・漫画・アニメなどのエンタメを愛するややヲタク!マツリカです。
  
気になった作品にはなんでも手を付けます。
実際に触れたことがある作品の感想・レビューを更新。
  
貴方が「遊ぶか・観るか・読むか」迷っている作品の参考になれば幸いです。

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